着物初心者も安心!大阪で振袖を探す人に
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このページでは、振袖着用時に気をつけたいマナーや、手入れのコツを紹介します。
着物に慣れない人がまず直面するのは、「振袖を着ると上手に歩けない」ではないでしょうか。洋服感覚で歩くと歩幅が狭くなる、だからといって大股で歩けば着崩れそうでこわい。
慣れていない方には辛いことだと思いますが、やはり着物着用時は歩幅を狭く、内股気味に歩くのが正解。背筋を伸ばして、しずしずと歩くほうが見た目にも美しいといえます。
また大手を振って歩くのもいただけません。基本的にはバッグを左手に持ち、右手で振袖の上前を軽くおさえる感じで歩くと、少々小走りになっても、風が吹いても裾がめくれにくくなります。
平地はいいとして、ちょっとした難関が階段です。この時は右手で裾をかるく持ちあげて上り下りするようにします。持ち上げ過ぎると足袋や地肌が見えてしまうので注意が必要。振袖は両方の袂を重ねて左手にかけて持てば、汚れを気にせずに歩けます。
日常生活で着物を着ることがほとんどなくなってしまった現代においては、茶道や日本舞踊、着付けなど和装で行うような趣味があるという人以外、着物を着ること自体、珍しいことになってしまいました。そのうえ振袖となると帯幅もあり、細い体型の人などはバスタオルを胴に巻きつけたりしているため「苦しい」「身動きがしにくい」という人も多く、なかなか着物に見合った所作にまで気を遣うというのは難しいものです。
でも、ほんの少しの心がけで周囲とちょっと差がつく、素敵な振袖美人になれます。
振袖は、未婚女性が慶事の礼装に用いる華やかな衣装です。着物には用途や未婚既婚などによって幾つかの種類があります。それによって柄や色などの特徴が異なり、「格の違い」があるのです。振袖の模様の特徴は、全体に模様が入る総模様が基本です。染めの着物が地色となっていて、華やかな花などの模様に、部分的に絞りや金箔などが施されているようなものが多く見られます。また、柄は季節を問わず着られるようなものが多く、いつの季節にも着られるように工夫されています。
振袖で一番華やかな柄が入ることが多いのは上前(うわまえ)と呼ばれる、着物の前身頃の部分です。着物の前を合わせた時に外側にくる左前身頃のことを指します。つまり振袖を着た時には左側を引き立たせるような立ち居振る舞いをするのが美しさのポイントです。
例えば写真を撮る時などは、左側を前にするように立つと良いでしょう。立つ時にも、左側がやや前に来るように、右足を少し後ろに下げて立つと美しく見えます。いつも左側が綺麗に見えるように意識をしてみましょう。
それではどのようなことに気をつければ良いか、一つ一つの動作をチェックしていきましょう。
上から糸で引っ張られているイメージで、背筋を伸ばし顎を引きます。これが基本姿勢です。無理に胸を張ろうとしたり、足を内股にすることはありません。自然に姿勢良く、しゃんとするような感じで十分です。疲れてくると、背筋が丸くなりがちですが、帯を中心に帯より上の上半身と帯より下の下腹部をまっすぐに保つように心掛けると、一日中綺麗な姿勢でいられます。立つときには、腕を少し曲げ、帯の下あたりで自然に重ねるとエレガントで美しいです。
慣れないうちは「姿勢を正しているだけで、こんなに疲れるものなのか…」というくらい、ドッと疲れることと思います。
歩くとき、足の親指に力を入れて踏み出すと安定します。歩幅はちょうど自分の足のサイズくらいに開くのが楽です。裾を乱してバタバタとしては美しくありません。洋服になれている現代人は歩幅も大きく、脚さばきなども気にしない人が多いですが、着物を着るときには気をつけるようにしましょう。いつもよりも動作に時間がかかるということを想定しておくようにすると良いでしょう。
そして、腕や手を袖の外にあまり露出させないというのが着物のマナーです。軽くひじを曲げ、手のひらは軽く握るような形が良いでしょう。
天候が悪い日などは特に、袖や裾を踏まないように注意しながら上り下りしましょう。振袖の袖は長いので、左右重ねて左手にかけ、ふくらはぎが見え過ぎない程度に右手で裾を少し持ち上げて歩きましょう。
まず袖を前でまとめて重ねるようにして持ち、帯がつぶれないよう浅めにかけて背筋を伸ばします。バッグを後ろに置いて座るとちょうど良い間隔が作れます。
座るときに、着くずれ予防にもなる、ちょっとした工夫があります。腰掛ける前に、後ろのおはしょりの下あたりを右手で少しつまみ上げ、着物にゆとりをもたせるように座ります。そうすることで立ったり座ったりする際、着物が引っ張られて着くずれてしまうのを防ぎます。
袖はひざの上に重ねます。手が動かしやすいようにふわりとひざの上に折りたたむように重ねておきます。床に落ちないようご注意を。
ソファーなど、低い椅子の場合は腰が落ち、裾が広がってしまうことがあります。ちょこんと浅めに座るように心がけることで足が広がりにくくなります。
振袖を着る前に、少し考えていただきたいのが、話し方のマナーです。振袖を着るときは成人式やパーティー、結婚式などの慶事ですから、久しぶりに会う友人や懐かしい人との再会に心躍るひとときを過ごされることと思います。
でも、振袖は礼装、つまりフォーマルウェアなのです。楽しくてはしゃぎたくなる気持ちは当然ですが、日本では未婚女性にしか許されない慶事の礼装です。華やかに美しく、そして品格を持った振る舞いがふさわしいと言えるでしょう。大人の女性として、その場にふさわしい話し方を心がけられたら素敵です。「自然でありながらも、いつもより少しだけエレガントに」服装に合わせて立ち居振る舞いや話し方などを柔軟に変化させることも大切です。
大事な振袖を汚さないためにも、大きめのハンカチを膝にあてておけば安心です。また、袖の扱いにも注意しましょう。お箸で料理を取るときや食べるときなどは箸を持っているのと反対の手を添えて、食べるようにします。少し離れたところの料理を取るというようなときには腕がはだけないように注意しましょう。帯が苦しく、いつものようには食べられないことが多いです。箸や着物の袖口などに、必要に応じて手を添えながらいつもよりも少しずつ、ゆっくりと食べることを心がけると優雅で美しく見えます。
「しまった!」と慌ててかがんではいけません。振袖の袖が汚れ、着くずれの原因にもなります。まずは、右手で両方の袖をまとめて持ちながら上前をつまんでから左膝の方を深く折るようにして腰をすっと下に落とします。とても美しく、裾が汚れたり、着くずれることもありません。
着くずれの原因にもなるトイレでの所作。でも、難しく考えることはありません。ポイントは袖と裾の扱いです。
まず、両方の袖は軽く前で結んでおくか、クリップなどで留めます。それから着物を折り返さずにたくしあげ、裾を帯留めに挟み込みます。着物の下に、長襦袢、裾よけなども重ねていますので、順にめくり上げ、帯締めに挟んでいきます。終わった後は逆に下から丁寧に戻しましょう。トイレはできるだけ広めの洋式があるような場所で入りましょう。時間がかかりますので、ホテルやホールなど、綺麗でゆとりある場所が望ましいです。どこでトイレに行くかもあらかじめ考えておくとスマートでしょう。
少し離れている所にある物に手を伸ばすようなときには、そのままでは袖から腕がはだけて見えてしまいます。着物を着ているときには腕を見せるのはNG。必ず片方の手で袖口に手を添え、さりげなく押さえるようにします。腕の所作は食事のときなどにも、とても目立ちます。例えばグラスを持って乾杯する時などにも、グラスを持つ手の反対の手でそっと袖口を押さえるようにしましょう。
振袖を着ているときには手荷物は出来るだけ最小限にしておきたいところです。できれば荷物はまとめて片手で持てる程度にしておくと良いでしょう。荷物は左手で持つようにすれば、階段の上り下りのときなど、右手で裾を上げる動作がスムーズにできます。
振袖は歩きにくいのが当たり前。これを軽減するには前もって「裾割り」をしておくことです。裾割りの仕方ですが、着付けをした後に足を肩幅くらいに開き、裾を左右に開くよう膝を軽く2~3度曲げます(深く曲げすぎると逆に緩くなってしまうので気を付けて)。
着物や長襦袢の窮屈さが適度に緩和されたら真っ直ぐに立ち、上前と下前をきちんと整えます。着付けが終わった後に裾割りをしておくと、歩きやすくなると同時に着崩れも防ぐことができます。
なお、振袖着用時に失敗しやすいのが車の乗降です。いつものように頭や足から車に乗り込むと着崩れてしまいます。そこで、まず袂を左手に、右手は裾を軽く持ち、横向きに浅く席に座ります。次に頭を低くして、体をくるっと90度回して正面を向きます。その後は裾を整え、帯がつぶれないように浅めに(深く腰掛ける、もたれるのは避けます)腰かけましょう。
振袖は若い方が自分で手入れするのは難しいといえます。親御さんか専門業者にお願いするのが無難だとは思いますが、簡単な手入れを紹介します。
まず、脱いだきものは、きもの用ハンガーに掛けて一晩吊るし、湿気を取り除きます(時間がなければ、直射日光のない風通しの良い場所に最低2時間程度干す)。帯・長襦袢なども同様です。その後で乾いたタオルなどで、きものに付いた埃を払い、汚れやシミなどがないか確認します。どこか汚れていたら自己判断はせず、できるだけ早く専門家に任せましょう。
振袖をたたむ場合は「本だたみ」が一般的です。これは浴衣や他の着物と同じたたみ方ですが、長襦袢はたたみ方が違います(長襦袢は「襦袢だたみ」でたたみます)。呉服店や着物専門店のホームページにはたたみ方の動画がありますから、参考にするとよいでしょう。